謝罪の基本

ビジネスの場でミスをすることは誰にでもあると思いますが、つい自分を守ろうとしてしまいませんか。ミスをした時に大切なのは、保身に走ることではなく、素直に自分の失敗や過ちを認めて謝罪することです。ミスの対応によって、ビジネスパートナーと今後とも良い関係が続けられる可能性もありますし、下手をすると信用を失くしてしまうこともあります。

ビジネスでの謝罪の仕方は、意外とテクニックが必要です。決まったステップを踏んでいくことがポイントになるので、頭に入れておきましょう。
基本は「すぐに謝罪する」「相手の気持ちに寄り添う(共感する)」という点。

ただし、単純に謝れば良いというものではなく、謝罪の気持ちをちゃんと伝える必要があります。相手の立場に立って、嫌な思いをさせてしまったことや迷惑をかけたことについて心から謝罪することが第一です。

●謝罪の際に気をつけたいポイント

 ①身だしなみ

白シャツに黒や濃紺のダークスーツの組み合わせなら、悪い印象は与えないでしょう。身だしなみは清潔感を大切に。とくに女性はヘアスタイルにも十分に配慮する必要があります。お詫びをして頭を下げる時に髪が邪魔になる場合は、ひとつにまとめること。

②表情

相手の目を見て神妙な面持ちで。お詫びの気持ちを言葉で伝えるだけではなく、相手の話をよく聞きましょう。相手の目を見るとはいっても、凝視するのはNG。鼻のあたりで視線を上下させれば、不自然さや圧迫感のない見つめ方になります。

③姿勢

お詫びをする時には、姿勢にも気を配ること。手を後ろに組んではいけません。必ず前で組みましょう。お詫びをする時に頭の下げる場合、最も丁寧な位置になる正面から頭を下げます。背筋をきちんと伸ばして、45度のおじぎで謝ること。

頭を下げる時に背筋が曲がっていたり、軽く頭を下げる程度では、謝罪の気持ちが相手に伝わるどころか、かえって悪い印象を与えることもあります。真摯な気持ちを姿勢で表しましょう。

また、頭を下げた時にすぐに頭を上げるのではなく、お詫びの気持ちを伝えるために、頭を深々と下げてできるだけ長く下げること。相手が怒っている時に、深く長く頭をさげて悪いことはなにもありません。

失敗を相手に許してもらおうとするのではなく、自分が心から反省していて相手に詫びる気持ちを素直に伝えることが肝心です。

④話し方

お詫びをする時は、声の出し方や話し方にも十分に配慮する必要があります。服装や髪形、お辞儀の仕方などは、相手の目に直接伝わりますが、声と話し方は、相手の耳に直接伝わります。

お詫びをする時は、普段話している時よりも、低いトーンで落ち着いた雰囲気で話すように心がけること。通常、ビジネスの場では、相手に良い印象を持たれるように笑顔で明るくハキハキと話しますが、お詫びをする時は不自然な明るさや高い声で話すのは、その場の雰囲気にはふさわしくありません。

また、早口で話すのでは相手に謝罪の言葉が伝わらないので、言葉を慎重に選び普段よりもゆっくりとした口調で落ち着いて話すこと。