部下が納得する叱り方①

「部下をうまく叱れない……」そんな悩みはありませんか?

人間関係の悪化やモチベーションの低下を懸念して、改善するべき部下の行動をスルーしている方も多いでしょう。しかし、もし上手に叱ることができるなら、仕事の生産性を上げることができるはずです。

■「叱る」は相手本位、「怒る」は自分本位

そもそも「叱る」と「怒る」はどう違うのでしょうか。

簡単に説明すると、「叱る」というのは相手本位の行為ですが、「怒る」は自分本位の行為といえます。

自分が困りたくないから、相手に行動の回避を求める。「お前がちゃんとやらないと俺の評価が下がる」など、自分の利益や保身のためのコミュニケーションが、「怒る」という行為です。

その点、「叱る」は相手の成長や、望ましい行動を促すきっかけをつくることが目的です。

 

■叱るときに大事なのは“説得”ではなく“納得”

叱ることが相手本位の考え方に基づいていても、やはり人間関係の悪化などの悪影響が心配です。部下を叱るときに大事なことは何なのでしょうか。

部下が「納得」できる叱り方をすることが大切

「納得」とは、部下が上司の考えを聞いて「そうだよな!・なるほどな!」と腑に落ちる感覚のことです。人は自分で決めたこと、思ったこと、考えたことに対しては、納得感があります。

人には自分の意思で決めたい心理があります。なので、できるだけ部下自らが決める場面をつくり、自分で決めたと感じるような話し方の工夫をすることが、モチベーションを下げずに叱ることにつながるでしょう。

一方、相手のモチベーションを下げたり、人間関係を悪化させる「叱り」は説得するような叱り方だと言われています。

「説得」とは、上司の考えを部下に理解させようとすることです。強い説得は、上司の考えで部下をねじ伏せることになるので要注意です。そういった押しつけ感が残ると、「また押しつけられるかも……」と、警戒心や不信感を部下は抱くようになってしまうかもしれません。

 

部下が納得する叱り方②へ続く