ドイツのビジネスマナー⑨

接待でもビジネスの話をする

日本ほど頻繁ではありませんが、ドイツの会社も接待は行います。接待のあり方も異なるので、ここでは私が以前務めていたドイツの会社での失敗談をお話ししましょう。自社の商品を売り込むため、日本の会社とアポを取って出張し、会食をすることになりました。先方としては、ドイツからはるばる来てくれたということで、接待のつもりだったと思います。皆でお酒を飲んで楽しく歓談し、「そろそろお開きにしましょうか」という場面で私の上司がビジネスの話を始めたのです。きっと上司は、そのような場でも最後に仕事の話をするというやり方に慣れているから、そうしたのでしょう。しかし、その瞬間に和やかだった場の雰囲気がぶち壊されましたね。

日本では、初めての接待の場でビジネスの話はしないですよね。そこでは世間話などをしてお互いをよく知る機会にとどめ、その後、何度もやり取りをする中でようやく仕事の話を切り出せるようになります。商談がまとまるまでに10段階あるとしたら、初回の接待というのはその初めの1歩だということはお互いにとって暗黙の了解であり、その上で会っているわけですから、そこで野暮な話はしません。しかし、ドイツ人は合理的に考える人たちですから、目的がビジネス関係の締結なのであれば、その場で何らかの結果を出して帰りたいのでしょう。ドイツの会社では、接待の場でもビジネスの話をすると思いますよ。


http://www.newsdigest.de/newsde/features/5822-business-manner-and-communication.html