目上の人に「了解です」「ご苦労様です」を使うのは間違い??

「ご苦労様です」は目上から目下への言葉、「お疲れ様です」は目下から目上への言葉。これはビジネスシーンでよく指摘される敬語マナーだが、実はこう言われだしたのはごく最近のこと。専門学者が証拠をもとに解説し、大きな反響を呼んでいます。

 

1960年刊行の『新しい模範手紙文』によると、「ご苦労様に存じます」「了解いたしました」は目上の人に使う言葉として問題なく、むしろ今では目上の人に使うべきとされている「お疲れさまでした」の記述がありません。それらのビジネス敬語の概念は、ごく最近に生まれてきたことが窺えます。

 

なお、念のために最近のマナー本を確認してみると、「ご苦労様です」を目上の人に使ってはいけないとしているマナー解説は非常に多いです。

なぜこのように、誤用が世間に広まってしまったのでしょうか?

 

ライターの菊池良氏が検証した「了解しました」が誤用とされるに至った経緯に、そのヒントがありました。

 

~以下抜粋~ 

「了解しました」よりも「承知しました」を使う方が正しい、とよく言われています。
僕がこれを初めて知ったとき、強い違和感を覚えました。
(中略)
まず、Web上でいつから言われ始めたのかを調べました。
すると、「Webメディアで取り上げられ始めたのは2011年ごろ」だということ、そして、「最初は“メールマナー”として言われ始めた」ことがわかりました。
(中略)
ビジネスマナー全般に関しての書籍も1980年〜2010年ごろのものを40冊ほど目を通しました。すると、「了解」を不適切としているものは見当たりませんでした。

 

以上となりますが、かなり長い検証記事でした。詳細はリンク先を読んでください。

リンク先はhttp://liginc.co.jp/246919

 

菊池氏の調査によると、1960年代ごろから「了解しました」がビジネスシーンでよく使われるようになったが、2007年に刊行されたあるビジネスマナー本で「承知しました」がモアベターとされたことをきっかけに追随する意見が見られるようになりました。

そして2011年ごろにWEB上で常識として広まったと解説されている。「了解しました」がNGになったのは、つい最近のこと。
こうして1冊の本がきっかけとなって言葉が変節してしまったようです。

同じように「ご苦労様です」や「お疲れ様です」も、何かが発端となり誤用が広まってしまったと考えられます。「言葉は生き物だ」とよく言われる通り、一つ一つの単語に一義的な意味が定められているわけではないので一度広まった誤用を元に戻すのは容易でないでしょう。
少なくとも「ご苦労様です」を目上の人に使ってはいけないと思う人がいる以上、現状に合わせるしかないのでしょう。ただ、このような誤用の広まりが起こっているのを知ることは大切です。

 

http://netgeek.biz/archives/80048

 

言葉も文化も時代によって変化していくものですね。

ビジネスパーソンとして、プロセスをしっかり見据えて行動したいものです。