自転車中のイヤホン走行で起こりうる問題とは?

違反か否かという話は別の機会に記載するとして、

イヤホンをつけて自転車に乗ると、実際どのような危険があるのか考えてみましょう。
まず、当然ながら、周囲の音が聞こえにくくなります。
「私は音量を下げているから大丈夫」という方もいるでしょうが、実際にはそんな音も聞こえなかったの?と思うような事故がいくつも起きています。たとえば、遮断器のない踏切で電車に気づかずに横断してしまったなど、イヤホンをしていない状態では考えられないことですよね。
普段は意識していなくても、私たちは自転車に乗りながらさまざまな音を聞きとっています。後ろから近づいてくる車のエンジン音、自転車のベル音、突然飛び出そうとした子どもを呼ぶお母さんの声など・・・。そういった状況判断のための音が聞こえない状態で、自転車を運転するということはとても危険なことなのです。


■「イヤホン使用による聴覚感度の低下」調査結果
イヤホンを使って70デシベル程度で音楽を聴取するとき、周囲の音に対する聴覚感度は30デシベル以上低下した。特に挿入型など遮音性の高いイヤホンでは最大65デシベル低下した。自転車のベル音に気付きにくいと考えられ、さらに大きな音量で聴取している場合には自動車のクラクションも聞こえるとは限らない。


東京都「東京くらしWEB」の「イヤホンの使用が聴覚に及ぼす影響についての調査結果」より
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/earphone_press.html

 

しかし、電車の音が聞こえないレベルとは相当な音量のはずです。なぜそこまで大きな音量にしていたのでしょうか。それには、聴いている環境が騒音の大きい屋外であることも考えられます。静かな場所で聴いているときに快適と感じる音量と、騒音のなかで快適と感じる音量は違うという調査結果も出ています。
また、自分に過失がなかった場合であっても、イヤホンをしていたということは確実に問題になります。たとえ、あなたが「しっかりと周囲の音を聞いて、安全確認していました」と証言しても、その時のイヤホンの音量が周囲の状況と比較してどのくらいであったかを説明するのは難しいでしょう。たかがイヤホンと思いがちですが、安全性を著しく低下させているのです。

■不明確だからこそ自分で決めるべき自転車ルール
イヤホンをつけての自転車運転については、今のところ絶対的なルールがある訳ではありません。しかし、ご紹介したように危険な事故につながる可能性がある以上は、間違いなく避けるべきです。
違反かどうかということが問題ではなく、社会生活をする一員としてどう考えるかということ。他人も自分自身も危険にさらす可能性があることは決してやらない。

そんな思考を持つことがビジネスマナーを体得するといえるのではないでしょうか。

 

http://ethicalcycle.jp/column/bicycle-rules/column1/

 

他人にとっても自分にとってもプラスになる行動をします。