男をビッグにする、社内営業術

「うちの会社は営業がシステム化していないから、やることが多すぎて、雑事に忙殺されてるんです。営業活動に没頭できないんです」
そういった悩み、特に規模の小さな企業ではどうしても起こりえることです。

たとえば、社内の誰かに営業に使えるデータを資料にまとめてもらう。
たとえば、社内にある導入事例をデータベース化する。
たとえば、いままで会社としては取り組んでいないFAX-DMを用いたマーケティング的な活動をテストしてみる。

どれもこれも、営業マン自身の営業活動を楽にしてくれる素晴らしいシステムになり得るものではあるけど、いち営業マンがすべて自分でうごいて、自分で完成するのは大変!とてもやってられん!
だから、そういうのナシで、営業活動をやらなければならない。。。

でもね、私に言わせれば、そんな悩みを解決することも、営業マンの立派な活動のひとつ。
それをちまたでは『社内営業』といいます。
うまくまわりを巻き込んで、それらのシステム化を実現するように誘導していくことです。

うまい社内営業術を身につけることで、会社を自分にとっても住みやすい場所にし、会社にとっても良いという状態をつくってみませんか?

3つのポイントでお話ししましょう。

 

●社内営業の基本は「やらせる」<「巻き込む」

社内営業といっても、基本は通常の営業となんら変わることはありません。
ただし、やはりいくつかの違いはあります。そのなかで見逃すことができないのが、説得する対象とあなたの距離の近さです。

普段から同じ会社内で活動していて、見知った仲であること。そして、同じ企業の利益という同一目標のもとにビジネス活動をおこなっていること。
などなど、顧客以上に近しい間柄であることは間違いありません。
そこの部分を説得する際に利用しない手はありません。

もっと具体的に言いましょう。
社内営業において、誰かに何かをやってほしいときの文句としては、「○○してください」ではありません。原則、「一緒に○○しましょう」という言い方をしてください。
あくまで『あなたと私は共通目標を目指すチームなんだ』という前提のもとに話を進めることです。だって、実際そうなんだし、そのほうが相手も気分が良いものです。

そしてそのうえで、役割分担として、「じゃあ、私は△△をやるから、あなたは□□をお願いします」という風に伝えるのです。
以下、具体例を示します。

A「今度、社内にある導入事例をデータベース化しようと思うんだ。だから、同じ部署のメンバーに事例もらってきてもらえない?」

B「社内にある導入事例をデータベース化したら、みんなすごく便利になると思うんだ。一緒にそういうの作らない?ボクは○○するから、キミは同じ部署のメンバーに事例もらってきてもらえない?」

ほんの少しの違いです。でもBのほうが自尊心をくすぐられませんか?

 

●メリットを提示しつつ、「お願い」する

あと、相手にとってのメリットをきちんと提示できるのなら、当然ながらそれは行うべきですね。
「仕事だから」とか「やったほうが良いから」というのでも動いてくれるかもしれません。でも、そのモチベーションは全然ちがうでしょう?

上の例で言えば、このように付け加えることかもしれません。

「データベースが整備されたら、みんなからも感謝されるし。今まで個別で頼まれてた用事が減って、キミの仕事も楽になると思うんだ」

でも、ここで注意がひとつ。
相手にとってもメリットがあるから、自分に協力してくれるのが当然なんていうふうに考えてはならないということです。そして、そんなふうに考えているように見せないことです。
相手にメリットがあろうとなかろうと、協力してもらう以上は、『お願い』する。

通常の対顧客営業においては、「お願い」する営業スタイルというのはオススメしていません。でも、社内営業においては、「お願い」する営業スタイルというのは悪くありません。
自分の格を下げる恐れが少ないからですね。

少しまとめると、社内営業においては(おいても?)、相手をその気にさせるために、論理面・感情面の両方から攻めてやることです。

 

●普段のコミュニケーションから仲良く

さて、ここまでは実際の説得のシーンを中心に話してきました。
しかし実際はそういった「いざ!」という現場以外で既に勝負が決まっていることのほうが多いものです。

つまり、あなたの説得技術がどうであれ、「この人の言うことだから、協力してあげよう」という関係が築けているか、そこのウェイトが高いのが実際です。
これも、顧客営業と社内営業の差のひとつですね。

私が会社員時代によく活用していたのが、ランチの時間です。
多くのひとは、ある決まったメンバーとばかり食事をとっていて、そのメンバーは固定的です。特に男性は男性、女性は女性で固まっているところが多いそうですね。

私は、色々なメンバーと食事をしていました。
男性の友人や上司と食事にいくこともあれば、お弁当を買ってきて、女性に混じってランチを食べたり。
まぁ、そこまで意図してやっていたわけではありませんが、結果としては良い方向に働いていたようです。

 

●小手先でなく、本気で

以上、3つのポイント
・「やらせる」<「巻き込む」
・メリットを提示しつつ、「お願い」する
・普段のコミュニケーションから仲良く

をお伝えしてきましたが、これらを小手先のテクニックとしてやらないでほしいのです。
小手先気分でやれば、見知った仲ですから、すぐに悟られてしまいます。
あくまで、パートナーとともに、会社のための活動をおこなっていくんだという心構えで行えば、きっとうまくいくはずですよ。

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/292195/2/

 

社内営業大事ですね。目の前の人にいつも喜んでもらうような行動をします。