関西弁だから愛されるのではない! 女も仕事も惚れさすナニワ商人道

実際に、ナニワ商人といえば、面の皮があつくてずうずうしいにも関わらず、なにかそれが愛嬌で許されてしまうというイメージがあるようです。

でも実際のところ、本当にそうなのでしょうか?
ナニワ商人の真髄とは?
そんなところを掘り返してみて、『あなたがお客から愛されるために気をつけること』をチェックしてみましょう。

 

●「つかみはOK!」はどこまで可能か?

「関西人の方はいいですよね。すぐお客さんと仲良くなれて」という方はたくさんいます。たしかにそういう方々はお客さんとの心理的距離を縮めるのに苦労されているようです。

しかし、そういう方の多くが誤解されているのが、
「関西人はお客さんとの心理的距離を一気に縮めることができる」と思っているところです。
一瞬でハートをググッとつかんでしまい、まるで子供のころからの友人であるかのような間柄になってしまう。……いやいや、そんなことはムリです。

人には心理的なコンフォートゾーンというものが存在します。例えば非常にプライベートな質問をぶつけられるなど、そのコンフォートゾーンよりも踏み込まれると、不快感を持ちます。
「なんだ、ずうずうしい奴だ」と。

 

●「関西人=ずうずうしい」は間違い

本当にレベルの高いコミュニケーターはそんな失敗はしません。
相手からマイナスの印象を持たれないギリギリのラインを見極めて、それより先の領域を侵しません。

お客さんと仲良くなれないという人は、この距離が遠すぎる。
ずうずうしいとお客さんに思われる人は、この距離が近すぎる。

このあたりの、相手によって「どこまで近づいても大丈夫か?」を見極める力、言い換えれば『距離感』を持っているということが、真のナニワ商人の力だと言えるのです。

 

●距離感のつかみ方と縮め方

しかし、距離感がつかめるだけでは不十分です。
言い換えれば最初でググッとハートをつかみきれていないのだから、そこからジワジワと距離をつめていかなければなりません。

相手の心理的コンフォートゾーンは決して固定のものではありません。接触時間や、その接触の間のやりとりによって、変わってきます。
だから、少しずつ少しずつ、相手の反応を見ながら一歩ずつ、距離を縮めていくのです。少しだけ、リスクを犯すのです。

例えば少しだけ、くだけた話し方をしてみる。
例えば少しだけ、ジョークを言ってみる。
例えば少しだけ、プライベートな話を振ってみる。

そして、相手の反応を観察する。受け入れられたか?拒絶されたか?
もちろん、大きな反応は見せてくれませんが、わずかに垣間見える小さな反応を読み取るのです。

そして、相手が受け入れてくれたら、さらに深く一歩を踏み込む。
少しでも拒絶の様子が見えたら、一旦引いて、再度やりなおし。
あとは、それを繰り返すのみ。

 

●ナニワ商人道と恋愛の不思議な関係

こうした地道な距離感の縮め方は、恋愛にも似ています。

いきなり詰め寄りすぎれば、相手は逃げてしまいます。
初対面でバラの花束を渡せば、多くの場合引かれてしまうでしょう。
だからといって、チャレンジをしなければ、ふたりの関係は変わらないまま。
さらに難しいのが、あなたの取るべきアクションが許容されるかどうかは、相手によって様々だということ。

だから、『観察&小さな一歩』の繰り返しが必要なのです。

 

●仲良くなればよいというものでもない

そうやって、異性を口説くように細心のケアのなかでお客さんと距離を縮めたとします。
しかし、ただ距離感を縮めていけばよいというものでもありません。

あなたのゴールはあくまで、自社の商品をお客さんに買ってもらうこと。
お客さんと仲良くなりつくすことではありません。

お客さんとの距離を縮め続ければ、いずれなぁなぁの友達関係のようになるかもしれません。それは、あなたにとってのデメリットもあるのです。
仲良くなりすぎた結果、タフな交渉ができなくなるのでは意味がありませんから。

言い換えれば、お客から愛されることは重要ですが、それだけではいけないのです。お客から信頼されなければならないのです。
どんな優秀なコンサルタントも、自分の親の事業というのはコンサルティングしにくいと言います。クライアントとコンサルタントの正常な関係が維持できないから、様々なところで支障をきたすのです。

最終的に、お客さんとどのような関係に着地するのか。
そういったゴールを定めることも、重要なナニワ商人力なのです。

 

●ナニワ商人道のまとめに

ここまで話してきたとおり、一言で「お客に愛される」といっても、「愛嬌があれば大丈夫!」とかそういう単純な話ではないのです。

最初の距離感のつかむこと、そしてゴールとしての関係を明確にすること、そのうえでその距離感を縮めていくプロセスを踏むこと。
この3つのどれが欠けても、理想の関係は築かれないのです。

そして、そこに必要なのは、『距離感への意識』と『観察力』と『一歩を踏み込む勇気』の3つです。

ナニワ商人道といっても、関西弁とかコテコテのトークのようなものは何一つありません。

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「地方生まれの私にはムリだ」なんて言わずに、、まずチャレンジしてみます。