仕事だからが口癖になっていたら…依存症の危険が?

人生の中で大きな部分を占める「仕事」。「仕事があるので……」というのは、よく使われる断り文句です。「仕事」という言葉には、なかなか踏み込みづらいものがあるようです。でも、「仕事だから……」と言いながら、あなたは生き生きとしていますか? そこには仕事という名の依存症の危険があるかもしれません。

 

●「仕事だから……」という口癖--「依存」の危険信号
「仕事だから……」
あなたは自分自身や部下に対して、あるいは家族や恋人に対して、この言葉をよく使っていませんか?
この1週間を振り返ってみてください。いかがでしょう? もし使っているとしたら、どれぐらい使っているでしょう? 1度や2度は使った覚えがあるのではないですか? 「仕事だから……」と言っているとき、あなたはどんな気持ちですか? そこにはどんな思いがあるでしょう?
「仕事だから……仕方ないよ」という諦めの気持ちが入っているかもしれません。もしくは、「仕事だから……やらなければならない」という悲壮感があるかもしれません。どちらにせよ、そこにはなんらかの無力感、窮屈さがあるでしょう。それは自分という存在よりも仕事に力を明け渡し、多かれ少なかれ仕事に「依存」しているからです。
もちろん、少しは依存するのもいいでしょう。しかし、その度が過ぎたとき、自分のために生きているのか? 仕事のために生きているかがわからなくなります。さらには、鬱状態に陥る危険性もあります。

「仕事だから……」という何気ない言葉について、もう少し見ていきましょう。

 

●あなたの仕事に関する思い込みは?--無意識にささやく言葉
簡単な演習をしてみましょう。下の文章をあなたなりに完成させてみてください。
「仕事をしなければ、○○○○○になる」
口に出して「仕事をしなければ」と言うと、あなたの口からはどんな言葉でてくるでしょう。自然と言葉が出るのに任せてみてください。一つだけではなく、どんどん言ってみてください。どんな言葉が出てきますか? 
例えば、次のような言葉が出てくるかもしれません。

「仕事をしなければ、食っていけない」
「仕事をしなければ、人から取り残される」
「仕事をしなければ、一人前と思われない」
「仕事をしなければ、人に嫌われる」
「仕事をしなければ、人生がダメになる」

少々暗い言葉を並べすぎたかもしれませんが、こんなふうにいろいろと出てくる言葉。それはあなたが持っている仕事にまつわる思い込みです。
出てきた言葉を眺めてみてください。「間違いない」と思うものもあるでしょうし、「そんなことはないなあ」と思うものもあるでしょう。こうやって、自分が持っている思い込みを書き出して、眺めてみるだけでも、あなたの仕事に対する無力感や窮屈感は少し減ってくるはずです。
仕事、さらには自分自身と少し距離をおいて考えられるようになるからです。
思い込みそれぞれが「正しい・間違っている」とか、「いい・悪い」とかいうより、自分で選んでいるという自覚もなく、知らず知らずのうちにその思い込みに基づいて、判断させられていることが問題なんです。まずは自分の思い込みに気づいて、客観的に眺めてみることです。

 

●最悪の状態を考える--まずは向き合うことから始まる
それではさらに、出てきた思い込みを眺めてみましょう。さらに次のように問いかけてみてください。

「仕事をしないで、○○○○○になったらどうなるだろう?」

例えば、「仕事をしないで、食っていけなくなったらどうなるだろう?」といった具合です。どうなると思いますか? これもまた、自然に任せて浮かんでくる言葉を口に出してみて、書いてみてください。
例えば、「食っていけなくなったら、生活保護を受ける必要がある」という言葉が出てくるかもしれません。あなたが出てきた言葉につなげて、さらに、次のように問いかけてみてください。
「そうなったら、どうなるだろう?」
このように、どんどんと自分に「そうなったら、どうなるだろう?」と問いかけ続けます。途中、あまりの暗い状況に落ち込むかもしれませんが、とにかく問いかけてみてください。

できれば、誰かほかの人に問いかけ続けてもらうのが楽です。プロのコーチが質問してくれるのが理想ですが、友人やパートナーなどに質問してもらっても構いません。逃げたり、誤魔化したりせずに、問いかけ続けます。

すると、どこかの時点で考える前よりも、気が楽になっていることに気づくと思います。恐れたり、不安に思っているものは、避けていると実際以上に大きな存在に感じられるものです。ちゃんと向き合うと、思ったよりも大きくないことに気づき、腹が据わって落ち着くものです。

 

●「“あなた”はどうしたいですか?」人生の主人公は“あなた”です
このように、あなたが持っている思い込みと向き合った後に、問いかけてもらいたいのは次の質問です。
「それで、自分はどうしたいんだろう?」
もし、ほかの人に質問してもらえるのであれば、「それで、あなたはどうしたいんですか?」と質問してもらってください。いろいろな思い込みや制約、条件はありますが、それで結局のところ、「あなた」はどうしたいんでしょう?
決めるのはあなた自身です。あなた自身に決める力があることを知っていてください。
「あなたはどうしたいですか?」
この問いを自分に問いかけ、自然に言葉が出てくるのに任せてみましょう。どんな言葉が出てきましたか?
「自分は□□□□したいから……する」
こうやって出てきた行動は、最初の「仕事だから……」と言って出てきた行動と同じかもしれません。でも、同じ行動でも、それに対するあなたの気持ちや思い、エネルギーには大きな違いがあると思います。

仕事は生きることを豊かにしてくれるおカネを与えてくれるものです。また、社会に対する貢献感も与えてくれます。いい仕事をしてお客さんに喜んでもらった瞬間を覚えている人もいるでしょう。 さらには、自分を成長させてくれる舞台にもなります。


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あなたが人生の主人公であることを忘れずに、仕事に「依存」するよりも、「活用」していきましょう。