目標設定に「漠然」を持ち込んではいけない

●イメージとは視覚だけではない

あなたはイメージをするのは得意でしょうか?
「イメージするのが苦手です」とおっしゃる方に確認すると、「成功している状況を描けない。うまくいっているときの絵がなかなか想像できない」とのこと。
つまり、イメージ力というと、視覚イメージのことを指すと思い込んでいるようです。

NLP心理学では、「すべてのことは五感で表現できる」といいます。過去も現在も未来のことまで、すべてあなたの脳の中で五感を使ってイメージできるのです。
さらに、「こうなりたい」という夢や目標を視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の五感を使ってイメージすると、潜在意識(無意識)に刻まれていくといいます。

五感を使って過去のイメージはできても、未来をイメージすることは難しいとおっしゃる方もいるかもしれません。そこで、五感を使って夢をイメージする方法をお伝えします。

 

●将来のビジョンを五感を使ってイメージする方法とは

「こうなりたい」という夢や目標を五感を使ってイメージすると、潜在意識に刻まれるという話をしてきましたが、潜在意識は、過去と現在と未来を区別できません。
どういうことかというと、まず過去に体験したことを思い浮かべてみましょう。例えば私が先日、マウイ島に行ったときのことをイメージしてみます。

青い空、コバルトブルーの海、白い砂浜が見えます。波の音が聞こえます。
ビーチではしゃぐ家族連れがいて、子供の楽しげな声が聞こえます。
熱い日差しを感じながら、ゆったりした時間を感じています。
「ああ、人生って本当に最高だなあ」と心の中でつぶやきながら、マウイ島のビーチでゆったりしています。
マウイ島のビーチにいた時に見ていたもの、聴いていたこと、身体で感じていたこと、その時の気分など、五感を使って思い出してみると、一瞬でその時の感覚がよみがえります。この時、潜在意識の中では、過去のことか、現在起きていることなのか、または未来のイメージなのか、区別がついていません。

そこで、この潜在意識の特徴を利用するのです。
私の未来の夢を例に「具体的に」、「五感を使って」イメージしてみます。

壇上から見渡すと、日本の方はほんのわずか。海外の方が多くを占めている。そう、ここはアメリカの主要都市の講演会場。数千人のホールが満員御礼。アメリカで私の書籍が出版されて大ヒットしたおかげで、夢にまで見たアメリカで記念講演会を開催している。
みんなが感動しながら耳を傾けてくれる。ちょっとしたことにでも手をたたきながら大笑いしたり、リアクションをしてくれる。最高の時間が過ぎていく。
講演が終了すると、握手とハグのリクエストがひっきりなしだ。とても喜んでくれているのがうれしい。
ホテルのスウィートルームに戻ってようやく気分が落ち着いてきた。最高の仕事ができたという感動に浸りながら、シャンパンで乾杯。なんておいしいんだろう。
「やっぱりイメージしたことは、すべて叶うんだなあ。また、夢が叶った。本当に人生って最高だ!」と言いながら、最高の夜を過ごしている。
このように、「こうなったらいいなあ」という「未来の夢」を五感を使ってイメージすると、すでに体験した過去として、潜在意識に刻まれます。つまり、過去のイメージと同じ扱いになるのです。
すると、潜在意識の深い部分では、その達成に近づけようと意識の内側から“働きかけ”が始まります。

人は、イメージ以上の自分にはなかなかなれません。逆を言えば、五感でイメージできないことは、実現に向かわないのです。だからこそ、なりたい自分をイメージすることで、イメージしないときには気づけなかった出会いやチャンスに巡り合えるのです。

「奇跡的に、夢につながる人脈と出会えた」「夢につながるチャンスが目の前に現れた」という人は、チャンスの幅を自分自身で広げているともいえるのです。

一方、「お金持ちになりたい…」
こういった目標では、漠然としすぎています。
達成したら見えること、聞こえること、感じていることが明確でないと、潜在意識に刻まれません。タクシーに乗ったときに、「どこかいいところに連れて行ってくれ」と漠然と運転手さんに頼んだのでは、自分の思い描く目的地に着くとは限りませんよね。

視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を総動員してイメージすることが、「間違えない」目標設定の秘訣です。

 

https://next.rikunabi.com/journal/entry/20170921_M1

 

常に明確に目標設定します。