花粉症の歴史・由来について

現在、日本国内では人口の約10%~20%が花粉症にかかっていると言われ、「日本の国民病」とまでいわれるほど花粉症の患者数は増加しました。それでは花粉症は一体どのような経緯をたどってきたのでしょうか?

■日本の花粉症の歴史
現在の花粉症の種類で最も多いものはスギ花粉症と言われています。しかし、日本で最初に確認された花粉症は、ブタクサ花粉症。1960年代にアメリカ進駐軍が植林したものとされています。その後、1980年代以降にスギ花粉症が主流となり、花粉症が激増しました。

これは、戦後の復興のため日本国内にスギの植林を奨励。スギは樹齢約40年ほどで成長しますが、その時に植林されたスギが1980年代頃に成木になり、そのため一斉に花粉の飛散が始まったのです。

また1960年代にはあまり見られなかったヒノキ花粉も、木材利用などの需要が増えたためヒノキの植林が進み、ヒノキ花粉症もそれに伴って増加しました。これ以降、現在に至るまで様々な花粉症の原因植物が次々と報告されるようになり、現在では約50種類~80種類の花粉症原因植物が確認されています。また、最近では、人間のみならず犬や猿など動物にも花粉症の発症が報告されています。

■花粉症の歴史
日本ではまだまだ花粉症の歴史は短いですが、世界では古くより花粉症の症状が確認されていました。花粉症の症状が風邪に似ている事から、いつ出現したのか正確な時期はまだ分かってはいません。現時点では、1560年頃にイタリアで報告されたものが、現在花粉症と呼ばれている症状の最も最初のものだと考えられています。1800年代に入りイギリスの農夫の症状に、花粉症の英語での病名である「hay fever(枯草熱)」が使用され、その後この枯草熱は花粉が原因である事が分かったのです。

現在、アメリカでのブタクサ花粉が、ヨーロッパではカモガヤ花粉などが原因植物となっているのが一般的です。

■花粉症患者数の推移
日本国内で初めて花粉症が報告されてから約50年。現在ではスギ花粉症だけで約1500万人以上、全ての種類の花粉症は約2000万人以上とも言われています。花粉症は1度発症すると自然治癒は困難である事から、毎年原因植物の飛散時期に繰り返し発症。

そのため花粉症患者数が減少する事はありません。さらに花粉症患者数は今後も増加することが予想されています。

 

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