憲法記念日の由来とは?
「日本国憲法」の制定前は、「大日本帝国憲法」がありました。
「大日本帝国憲法」は1890年11月29日から1947年5月2日までの57年間続いた憲法です。この憲法が廃止された翌日の5月3日に「日本国憲法」が施行されました。
「日本国憲法」が制定されたきっかけは1945年に終結した戦争での敗戦です。
「日本国憲法」が制定された目的は、民主国家をつくりあげ、二度と侵略戦争をおこさないためです。
戦前・戦中の「大日本帝国憲法」は、国政全ての決定権が天皇にあり、国民の全てが天皇の支配下にありました。
しかし、戦後の「日本国憲法」は国民のための次の3つの基本理念が盛り込まれ、国民主権となりました。
国民主権:国の政治は国民で行う権利があること
平和主義:戦争はもうしないと決められた
基本的人権の尊重:人間らしく生きる権利を国民はもつこと
つまり、これは単なる憲法の改正ではなく、それまでの日本の全てをひっくり返す大革命でした。
「日本国憲法」の執行は、戦争の地獄を体験してきた国民にとっては、とてつもない衝撃だったと想像します。
何故なら、天皇のためだけの人生から、自分の意思で自由に幸せを求める事が許され、それまでの社会の常識が180度変わったためです。
このように、戦後から日本人の価値観は国主体から個人主体へと変化し、自由と希望に満ちたものになっていきました。
そして戦後の名残で貧しいながらも皆が平和で明るい未来を目指して努力し、新しい日本を先進国にまで築きあげていく事になり、それが現在の日本の土台になっています。
以上の事から、「憲法記念日」は日本で最も重要で意味のある祝日なのです。
「憲法記念日」は、公布された11月3日にするか、執行された5月3日にするか、国会で少々もめたようですが、最終的には、先に審議をはじめた側の意見の意見が尊重され、5月3日に決まりました。