【敬語】「〜になります」を多用する人いるよね?正しい使い方教えます。
「こちら◯◯になります!」と使う人を良く見かけますが、間違ってますよ!!
大人でも正しい敬語を使える人はあまりいません。
ただ、変な敬語を知らずに使っていると恥をかくことも。
そんな大人にならないためにもしっかりと敬語を使い分けることができるようになっておくと良いでしょう。
敬語のおさらい(尊敬語、謙譲語、丁寧語)
■尊敬語
目上の人に対して、その方の動作を立てて表現する際に使用。
■謙譲語
目上の人の動作に関係なく、自分がへりくだることで相手を立てる際に使用。
■丁寧語
話を聞いてくれる方へ配慮する際に使用する。主に聞き手側が目上の人の場合に使用。
敬語と違う?バイト敬語って何?
ファーストフード、コンビニエンスストア、ファミリーレストランなどにおいて、
ある種の特徴のある接客表現が用いられており、
それらは特に若いアルバイト店員がお客に対して使うものであり、
バイト敬語、コンビニ敬語、ファミレス敬語、
またはファミコン言葉(ファミレス+コンビニ)などと呼称されている。
このような接客用語をマニュアル化している企業もあるとされ、マニュアル敬語とも呼ばれる。
マスコミを通じ日本語の乱れや若者言葉の典型として紹介されたことから注目を集めたが、
言語学や方言学の見地からは、さまざまな検証や反論が提示されている。
【バイト敬語の例】
「1万円からお預かりします」
→正しくは「1万円”から”」ではなく、「1万円お預かりします」
「◯◯でよろしかったでしょうか」
→正しくは「◯◯で宜しいでしょうか」
「◯◯のほうはいくつお持ちしましょうか。」
→正しくは「◯◯はいくつお持ちしましょうか」
「◯◯になります」もバイト敬語!正しい使い方ではない!
「お会計が◯◯円になります」、「こちらビールになります」というフレーズをよく耳にします。
しかし、助詞に「に」を付けて「◯◯になります」という使い方はこの場面では誤りです。
これらはいわゆるバイト敬語という括りにされており、ある種特徴的な独特の敬語であり
ビジネスでは使う敬語とは別のものとされております。
接客業特有の敬語と言っても良い使い方ですので、
普通に取引先に対して上記のように「◯◯になります」なんて言ってしまうと、
相手に違和感を与えてしまうかもしれません。
正しい「◯◯になります」の使い方を覚えておいた方が良いです!
「◯◯になります」の構造は?
まず、動詞「なる」を見てみましょう。これは多義語(意味がたくさんあることば)ですが、
助詞「に」を付けて「~になる」と言った場合には、
おおよそ次のような意味が生まれます(ほかにもいろいろな用法がありますが)。
変化・移行した結果が出現する。
[例] 大人になる。冬になる。中止になる。合計すると二千円になる。
結果として一定の役割を果たす。
[例] 番組制作の参考になる。励みになる。
「なります」=「成る」+「ます」です。
「成る」とは、「前の状態から別の状態に移る」ことを指し、変化を伴うものや比較対象する際に用いるものです。
したがって、変化を表す言葉なのです。
「こちらビールになります」と言っても、持って来たものはすでにビールですよね?
変化を表さないですよね?
例えば、麦芽だけ持って来て「こちらビールになります」と言ってビールへ変化したとしたら、
正しい使い方と言えます。でもそんなことあり得ないですよね…。
「なります」を使った誤った敬語例
■居酒屋にて、「ビールになります」
■コンビニにて、「◯◯円になります」
■「お手洗いはあちらになります」
■客の指定した商品を持ってきて「こちらが商品になります」
全て状態の変化を伴っていない使い方ですので、誤った敬語の使い方です。
「なります」を誤用しないために注意すべきこと
「なります」を正しく使った敬語例を挙げておきますので、参考にし、
「なります」の使い方の感覚を掴んでください。
■「前年度実績がこちら、そして今年度実績がこちらになります」
■面接で経験を聞かれ「◯◯の経験は10年になります」
■子供の年齢を聞かれて「もう5歳になります」
どうしてもバイト敬語が抜けない方や敬語を一から勉強したことのない方は
誤用してしまうことがあるとは思いますが、まずは下記のことを注意しながら話す前に少し立ち止まってください。
■「〜です」に置き換えることはできないか?
■「変化」は伴っているか
■「時間」の概念が含まれているか
これら3つのことを意識するだけで誤用は少なくなります。
特に「なります」の誤用は「〜です」や「〜でございます」に置き換えられることがほとんどです。
誤った敬語例で記載したものも全て
■「ビールでございます」
■「◯◯円でございます」
■「こちらが商品でございます」
と置き換えることができます!
変化を伴っているか、時間の概念が含まれているかはすぐに身につくものではないので、
まずは「です」に置き換えられるか否か頭の中で考えましょう!
敬語はなかなか難しい!!
敬語は勉強しても難しいものです。
尊敬語や謙譲語、そして丁寧語と同じ単語をどう使うかによって言い方が変わってきますので、
言葉を発することを職業としているアナウンサーでさえ誤った敬語の使い方をする場合もあります。
しかし、敬語を上手く使いこなし、綺麗な日本語を使うだけで、あなたの印象はグンとアップしますので、
是非とも敬語の勉強をして下さい。
また、最低限のマナーであるビジネス敬語は身につけてください。