女性用の正装の着物①

正装用の着物は、原則的に結婚式・叙勲などの儀式・茶会など格の高い席やおめでたい儀式で着用されます。

 

■黒留袖【正装】
既婚女性の正装。
着物の格においては第一礼装になり、西洋のイヴニングドレスに相当するものである。
生地は地模様の無い縮緬が黒い地色で染められており、五つ紋(染め抜き日向紋)をつける。
絵羽模様は腰よりも下の位置にのみ置かれている。
現代では結婚式や披露宴で親族の既婚女性の服装として用いられることが多い。

 

■色留袖【正装】
黒以外の地色で染められた留袖。
本来は既婚女性の正装であったが、最近では未婚の女性に着用されることも多い。
生地は縮緬だけではなく、同じ縮緬でも地模様を織り出したものや綸子を用いることもある。
黒留袖は五つ紋であるが、色留袖の場合五つ紋だけではなく三つ紋や一つ紋の場合もある。
宮中では黒は喪の色とされているため、黒留袖は用いられず色留袖が用いられている。
皇族の方が留袖をお召しの場合や、一般の者でも叙勲などで宮中に参内する場合は色留袖を着用するのが慣例になっている。


■振袖【正装】
主に未婚女性用の絵羽模様がある正装である。
正式には五つ紋をつけるが、現在ではほとんど紋を入れない。
袖の長さにより、大振袖、中振袖、小振袖があり、花嫁の衣装などに見られる袖丈の長いものは大振袖である。
近年の成人式などで着用される振袖は中振袖となっている場合が多い。
絵羽模様に限らず小紋や無地で表された振袖も多い。