女性用の正装の着物②

正装用の着物は、原則的に結婚式・叙勲などの儀式・茶会など格の高い席やおめでたい儀式で着用されます。

 

■訪問着【正装】
女性用(未婚、既婚の区別なし)の絵羽模様がある正装。紋を入れる場合もある。
帯の上にも下にも柄があり、そのすべてが縫い目をまたいでつながるのが特徴。
結婚式への出席(親族以外の場合)、茶事、パーティーなど、華やかな行事には大概対応できる。
また、既婚者・独身者どちらでも着用してかまわない。

 

■付け下げ【正装】
訪問着を簡略化したもので、絵羽模様ではなく、反物の状態のまま染色し、縫うと訪問着のような位置に柄が置かれるものである。
一見訪問着と見まがうものもあるが、訪問着との大きな違いは、柄の大きさや縫い目での繋がりの他、八掛(裾回し)が表地と同じもの(共裾)ではなく、表との配色が良い別生地を用いている点である。
略式礼装に当たるため儀式などの重い席には着用されることが少ないが、趣味性の強い柄付けや軽い柄付けの訪問着より古典柄の付け下げの方が格が上とされる。
一般的な付け下げは儀式ではないパーティーなどで着用されることが多い。


■黒喪服【正装】
現代の和服での喪の礼装である。
五つ紋をつけ、黒の帯を合わせる。
関東では羽二重、関西では一越ちりめんで作る。
未婚、既婚、共に着用するものである。