中国のビジネスマナー②

●挨拶の仕方:名刺交換のマナー
誇り高い中国商人たちは職場の中でも外でも話し好き、大変な理屈好きで交渉や議論が大好きである。たとえ規則違反を注意される場面でも、自分の誤りは最後まで認めようとせず、様々な 「 屁理屈 」 まで動員して徹底的に自分を正当化しようとする。 ここで、中国語には 「 有道理 ( youdaoli ) 」 という、頻繁に使用されるもうひとつのキーワードがある。「 道理 」 とは真理のことであり、日本語で言う 「 ことわり 」 である。中国社会では、現代日本のような 「 まず法律ルールありき 」 ではなく、「 まず事実は何か 」 を認識することから始まる。つぎに、その事実に対してどう対処するか。その基本原則を 「 道理 」 と呼ぶといってよいだろう。万人を説得し得る論理であれば、「 道理がある ( 有道理 ) 」 と言われ、道理が通れば、中国人の少なくとも大人 ( daren ) は道理の前に面子をおろす。これが道理と面子の基本的な関係であり、これは立法と取締り、処罰という法治関係を超越したレベルに位置する。このように国の法律よりも面子と道理のほうが優先する、中国はいわば一種の道徳社会と言ってよいかもしれない。事実、中国では、多くの弁護士、検察官、判事が法律とともに必ず道理を語る。
中国人社員を管理し、指導する経営者としての立場にたつ場合は、どのような場面でも相手の面子を重んじ、同時に自分の道理を明確に語ることのできる能力が不可欠の資質として求められる。日本人によくありがちな 「 沈黙は金 」 、「 不言実行 」 、「 面子にこだわらず実質をとる 」 という姿勢は、中国社会では、「 自分の非をすぐに認める理解しがたい人 」、「 会話したがらない面白みのない人物 」 という風によく誤解されがちである。
日中の習慣の違いから、中国人の徹底した議論に日本人はややもすると辟易してしまいがちだが、よく耳を傾けて彼らの語る 「 道理 」 を聴いていれば、その実は、議論を通じて真の忠誠や友情を説き、信頼を求めていることにも気づくはずである。このような彼らの問いかけに対して、こちらもきちんと受けとめてやらないと、「 あなたには情も理も無い 」 ということになってしまう。また、たとえ相手が間違っていたとしても、その場で何の反論も説得もせず黙って無視する態度をとれば、内容はどうであれ、結果としては相手の側に理があるという結論になってしまうので注意したい。


http://www.ginkouin.com/rensai/china/9.html


議論が好きなのはわかるが、日本人はあまり議論を望まないので、折り合いをつけるのが大事。