インド現地でやってはいけないNG行動は?

不浄とみなされる左手で握手を求めたり、物を渡したりすることや、「いい子だね」と子どもの頭をなでるのはNG。

 

何をどこまでタブーとするか、どこまで気を遣うかは地域や個人によっても違います。インドでの代表的なNG行動としては、左手で握手を求めたり、物を渡したりすることが挙げられます。左手はトイレで使うこともあり不浄とみなされるからです。食事でも、基本的に左手は使わず、右手で食べます。

オフィスで書類を従業員に渡すときなども、左手だけで持って差し出すのは控えるようにしたいところです。ホテルでチップを渡したり、キーの受け渡しをするときなども同様に意識して、右手を使う習慣をつけておくのが得策でしょう。

もちろん、大型の封筒や箱などを渡す際は、無理に右手だけで持つ必要はありません。日本にいるときと同じように両手で持って渡してください。インドの人たちもそうしています。

ちなみに、インドの伝統的なトイレは和式に似た形をしていて、紙を使わず、手桶にためた水を使って左手で洗ってきれいにします。ここでは左手を使うわけです。ただ、高級なホテルやレストラン、新しいオフィスなどでは、洋式トイレがあり、トイレットペーパーが用意されています。また、手動式洗浄シャワーを備えているトイレもあります。

足もやはり不浄と見なされます。日本人はあまりしないでしょうが、組んだ足をデスクに乗せ、ふんぞり返るのはやめることです。疲れたときに目の前の台などに足を乗せても、やはり不快感を与えるでしょう。

●聖なるもの

ヒンドゥー教の教義には浄・不浄の思想があり、排泄物や血、罪は不浄、死は最大の穢れとされています。俗世の罪や穢れを洗い流してくれるのが、「天界の川」と考えられているガンジス川です。ガンジス川の豊かな流れにはゴミや動物、人間の遺骸までありとあらゆるものが浮かんでいますが、古来、インドに恵みをもたらす聖なる川であり、人々は沐浴により身を清めてきました。

人の頭も神が宿る神聖なものとされるため、決して他人の頭には触れないように気を付けてください。子どもであっても「いい子だね」と頭をなでるのはタブーです。

かわいいと思って左手で何度も頭をなでたりしたら、親を激怒させてしまいます。

また、耳も神聖視されているので、触れないようにしましょう。耳たぶを強引に引っ張るような真似はトラブルを招きます。

聖なるものは身の回りにもいろいろあり、たとえば象の鼻は恵みを与える手や腕の役割を持つとして崇拝の対象となっています。聖なる象の鼻を頭上にかざされると、人々は喜び、ありがたがります。

●他人とのコンタクト

インドでは男性の友達同士が手をつないで歩く姿も見かけますが、、よほど親しくない限り体には触れないようにしてください。やはり習慣や背景となる文化が違うので、親愛の情を込めたつもりで軽くタッチしただけでも、場所や触れ方により不快感を与えかねず、侮辱されたと誤解を招く恐れもあります。

インドの都市部は人が多く、公共の場はどこも混み合っていて体と体が触れ合わんばかりの状況になることも珍しくありません。知っている人と会話するときも、日本で慣れているよりは少し近いところまで寄ってくると感じることがあります。

それでもやはり、意図に反して体が触れ合ったらSorryと謝りましょう。ちょっと手が当たったとか、肩がぶつかったというときでも、何も言わずにいるのは失礼です。

また、人を手招きするときは、手のひらを下に向けて招き猫をまねするように指先を動かしてください。アメリカ式に手のひらを上に向け、指をちょいちょいと動かすと、傲慢だと思われます。

人に指を突きつけるのも避けましょう。単純に念押ししたいだけでも、相手は非難されているように感じるはずです。インドでは人を指すときも失礼だからと指を使わず、たいていは顎で指し示します。手全体を使うのもOKなので、こちらの方が日本人は慣れていてやりやすいでしょう。

冗舌なインドの人々は手のしぐさを交え、豊かに表現をします。手をポケットに入れたままだったり、腕組みをしたりすると偉そうに見えるので気を付けましょう。


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