乾杯のマナー

一口に乾杯といっても、いろんなシーンがあります。結婚する2人の幸せを、両家の親族とともに慶び祝う乾杯。新会社の発足を祝うパーティーでの乾杯。10周年の節目を記念し、新たなスタートを切るための乾杯。新しい門出を祝し、活躍を祈るための乾杯。
さまざまな乾杯のシーンとマナーを説明します。

 

●一般的な乾杯のしかた
・乾杯の席で用いられるお酒には、いろいろな種類があります。代表的なお酒として、ビール、ワイン、日本酒、シャンパンを例に、乾杯のしかたをご説明しましょう。

 

[ビール]で乾杯
居酒屋やビアホールなどでは、ビールのジョッキで乾杯をします。この場合は、そのグループ、参加者の全員に飲み物がゆきわたったところで声を揃えて「乾杯」と発声し、ジョッキ同士をカチンと合わせる形式になります。


[ワイン]で乾杯
ワインで乾杯が行なわれるシーンは、ごく内輪でのシーンが多いようです。
恋人同志、夫婦、家族など、プライベートなシーンになります。

もともと乾杯という行為は、中世にヨーロッパでお互いのグラスの中に毒が入っていないことを証明する為に、相手にグラスをカチンと合わせて自分のグラスから相手のグラスにワインを注ぎ、お互いに飲み干すことで毒が入っていないことを示したのが起源だと言われています。つまり「ワイングラスをカチンと合わせた」のが由来なのですが、現在のワイングラスは非常に薄く、割れやすくできているため、音をたててグラスを合わせるのはNGです。


[日本酒]で乾杯
和室での宴席では、乾杯にも日本酒が用いられることがあります。
もともと、日本では、お酒は神様への供物のうちのひとつ(お神酒=おみき)であり、収穫を祈る神事や、元服や戴冠などの儀式、結婚式の三三九度のかための杯など重要な儀式に用いられてきました。
戦にのぞむ前に酌み交わしたお酒も、神聖な意味を持ち、現在の陽気な乾杯とは一線を画すものです。当時は、酒の肴までも縁起をかつぎ、縁起の良いものが供されていました。但し、現在では、豊作を祝う祭りなど、日本酒を用いられるシーンでも乾杯全般において、洋風の「乾杯」の号令が用いられるようになってきています。和室の場合には大半が座ったままで行なわれます。


シャンパン]で乾杯
・結婚式の披露宴では、大半の場合、シャンパンが用いられます。この乾杯の様式は西洋から入ったものが日本風に変化したものだと考えられます。