育児休暇をとるか(どのぐらい長く取得するか)

●育児と出世の期間的関係
共働き世帯はすでに60%に達している。しかし世帯平均所得は減りつつあり、共働きでなければ育児がそもそもできない状況になりつつあることが、厚生労働省国民生活基礎調査からわかる。

会社の中で給与を増やす方法はすでに年次昇給ではなく昇進による昇給がメインになっている。だから出世しなければ給与は増えないのだけれど、育児と出世との両立は可能なのだろうか。

課長になる平均的な年齢は統計により若干異なるが、おおよそ40歳手前だ。部長になるのは45歳前後。だから出世しようと思えば30代半ばから40代半ばあたりに最も努力しなければいけない。

一方で平均初婚年齢は現在30歳を少し過ぎている。あわせて初産の年齢も後倒しになっており、特に都市部では晩婚化・晩産化が進んでいる。育児はそこからスタートするが、就学前期間だけでなく、小学校や中学校でも親の参加は重要だ。

これらの事実が示すことは、「出世に注力する期間と、育児期間が完全に重複してしまっている」ということだ。そして残念ながら、多くの企業では育児に注力する人は出世から遅れることになる。

●育児しながら順調に昇進した人の成功パターンとは?
厳しい環境ではあるが、そのような状況下で少数派ながらも、育児をしながら出世している人も増えてきている。個別事例になるが、共通する要素はある。休職する期間をなるべく短くする、生み出す成果の量とレベルを変えないようにする、といったことだ。
以下の成功例を、育児と出世との両立を考えるきっかけにしてほしい。

【集中分担型】
一番多いのが夫婦でそれぞれ分担しながら育児を進めるタイプだ。前提としてフレックスタイムや裁量労働制のように、自分である程度勤務時間を融通できる人事制度が必要になる。
ある夫婦の場合、子どもの朝の面倒は夫が見て妻は早くから出勤する。夕方は逆に妻が早く帰って子どもの世話をして夫は遅く帰ってくる、というような分担をしている。ちなみにこの例では夫は同期の中でもかなり早く昇進しているし、妻の方は専門職として活躍している。
また別の夫婦では曜日による分担制を敷いている。夫・妻の双方とも週に何日かは自宅勤務が可能なので、その仕組みを用いて育児を分担しているのだ。

【時期ずらし型】
少々極端な例になるが、計画的出産で出世と育児の時期をずらした例がある。つまり妻が管理職に昇進してから出産するような計画をたて、その通り実行したのだ。高齢出産にはなったが、お子さんは健やかに育っているし、妻も管理職として今も活躍している。今は課長だが、数年すれば部長になる芽も見えている社内の出世頭だ。

【挽回型】
自分たちの優秀さに自信を持っているある夫婦は、出産後に妻が育児休業をとった。完全に育児に専念し、夫も可能な限り育児を支援した。ただしその期間を半年に短縮したのだ。

現在多くの会社では育児休業期間を長期化しようとする取り組みが増えているが、ちょうどその逆の行動をとったわけだ。またその前に妊娠がわかった時点で、夫婦ともに時短をとらなくてすむような準備を済ませていた。具体的にはそれぞれの会社に短時間で通える場所への転居、その近辺での保育施設の確保、週に一日のベビーシッターの依頼などだ。

1年未満の育児休業であれば評価への影響を低くすることができる。そうしてこの夫婦は休業期間をデメリットにしないような活躍を続けている。



要約
□ 休職期間があると出世が遅れてしまう会社が大半。それは人事制度の仕組み的な問題のため
□ 職務に求められる専門性と顧客のタイプによって、休職に対する影響度合いは異なる。自分が行っている職務の特徴を見極めるとよい
□ 夫婦共働きで育児しながら出世している例は少ないが存在する

http://bizacademy.nikkei.co.jp/promotion/success_way/article.aspx?id=MMAC4u000029012016&page=7


仕事もバリバリしたいし、家庭も持ちたい。例は少なかったとしても自分はその中に入っていくためにも努力します。