時短アウトプットでビジネスに差をつける

顧客対応の仕事をしている人は、メールのパターンをいくつか用意しているものです。クレームや問い合わせというのは、たいていパターンが決まっているからです。
同様に私たちも、良く使う文面を保存し、それをコピペすることで、メール対応のスピードを上げることができます。
テンプレートを作るほど大量には処理していないという場合は、署名でテンプレートを入れておくと便利です。
たとえば次のような文章が署名で自動的に入る設定にしておけば、新規作成したときには冒頭と締めの言葉が既に入っていますから、本文を書くだけです。

 

○○様

お世話になっております。
XYZ商事の午堂登紀雄です。←自分が相手より目下の場合、フルネームが好印象
早速のお返事ありがとうございます。

→ここに文章を打ち込むだけ

どうぞよろしくお願いいたします。

午堂登紀雄
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午堂登紀雄 Godo Tokio
株式会社XYZ商事
〒001-0001 東京都中央区1-2-3
TEL:03-1234-5678 FAX:03-8765-4321
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♪今日の良い出来事♪
電車の中でおばあさんに席を譲りました♪←朝イチのメールで署名欄を書き換えておく

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テンプレート化で気をつける必要があるのは、相手の名前です。
ただ単に過去のメールをコピペすると、前の人の名前をそのまま張り付けて送信してしまう、ということをやってしまいかねません。
これは相手に不愉快な印象を与えますので、要注意です。
また、これは私自身の経験と反省でもあるのですが、メールは返事が遅くなると、さらに文章作成に時間がかかります。 

というのも、「お返事遅くなって申し訳ございません」という侘びの文章が冒頭に必要となり、書く量が増えるからです。
なので、メールを読んだらなるべく早めに返事するようにしたいものです。
といっても、なかなかできずに「遅くなって申し訳ございません」という冒頭文が多いのが私の欠点ですが・・・。

 

●提案書のテンプレート
これも比較的ポピュラーな方法ですが、プレゼン資料や提案書などは、何パターンかのテンプレートを持っておくと便利です。
たとえば営業の初回提案などは、内容を顧客に合わせて変えるだけでよいからです。先輩や同僚など他人が作ったものでも、良いものは使わせてもらい、自分流にアレンジしておくと、さらに応用が可能です。
私自身、外資系の経営コンサルティングファームに勤めていたとき、グローバルで共有されているプロジェクトのデータベースを活用していました。特に、自分が初めて取り組むテーマのときに重宝しました。
たとえば「バランススコアカードの導入」「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント」といったプロジェクトのコンペに参加するとき、海外オフィスで当該テーマのプロジェクト実績があれば、検索するとその提案書が出てきます。それらには、メリットデメリット・前提条件・評価指標・導入手順・運用手順・他企業の事例が全部網羅されています。しかも、美しく図解されたチャートばかりなのです。
それをダウンロードし、英語を日本語にして、日本の商習慣やクライアントに合わせてちょっと修正するだけで、コンペ前のブリーフィング(コンペに参加する前の事前説明)で使える、かなり立派な提案書ができます。
それで浮いた時間を使って、クライアントが目指そうとしているゴールを理解し、クライアント企業に固有の問題点仮説、改善策仮説を洗っていくのです。

そういうテンプレートはないよ、という人は、一度じっくり時間をかけて作っておきましょう。最初は大変かもしれませんが、一度作ったら、あとあとまで使いまわしできますから、その後の作業がかなりスピードアップします。

 

●プレゼンチャートを超速で作る
私は講演やセミナーの機会が多いので、よくプレゼンチャートを作ります。同じようなテーマであれば、過去のものを組み合わせ、新規で作るページを最小限にしてスピードアップすることができます。
しかし、まったく新しいテーマで講演するときは、ゼロベースで作ることになります。それでも、90分の講演で使う約30枚のチャートなら、見直しも含めて2日程度で作ることができます。手順は以下の通りです。

1.講演で盛り込むべき内容(見出し)を箇条書きにする…1時間
2.見出しをタイトル欄に入れた白紙ページを最後まで作る…30分
3.見出しタイトルに合った内容を粗く書き込んでいく…5時間
4.話しやすく、聴衆も理解しやすい順番に入れ替える…30分
5.より詳細を書き加え、仕上げていく…5時間
6.1日寝かせる
7.頭の中で講演のイメージトレーニングをしながら再度見直して修正する…3時間

という感じです。
ポイントは、全体像を最初に作ってしまうという点です。
最初から論理構成を意識して、1枚1枚丁寧に作ろうとすると、当然ですが時間がかかります。すると、締め切りに間に合うかどうかが気になります。
時間がおしてくれば、とりあえず最後まで終わることが最優先となり、最後は「間に合わないからこれでいっか」とやっつけ仕事になりやすい。

そこで、とりあえず粗くても全体像を作り、簡単に中身を入れてしまうのです。各チャートのできばえはともかく、間に合うかどうかという不安からは解放されます。
そうすれば安心して中身のブラッシュアップに専念でき、推敲の時間も多く取れる、というわけです。

 

●パクる
たとえば会議の招集がメールで来たとき、それが必要な情報をきちんと盛り込んだわかりやすメールだと感じたら、保存しておきましょう。
そして、自分が会議を召集する立場になったとき、それを上書きするだけですから、かなりの時間と労力が節約できます。


たとえば、

メール件名: ○○会議の連絡
日時
場所
議題
出席者
背景・事前情報
準備
担当者名と連絡先

 

といった項目だけを残し、内容だけを入れ替えればいいので、モレなくスピーディーに書くことができます。これはメールに限らず報告書やレポートなども同様に、先輩や上司が作った良い文章をいただいてしまいましょう。

 

●パクるのは背景の考え方
事務文書であれば、骨格や構造をパクればよいのですが、セールスレターや商品パンフレット、会社案内などをパクるときは、「なぜそう書いているのか」を問いかけながら考えます。
たとえば私の会社ではよくセミナーや講演を開催していますが、告知文章を作るときは、他社のものも参考にすることがあります。「この表現いいな」「申し込みボタンをあちこちに配置するのもいいな」「この特典は魅力あるな」という感じで、パクれるものはパクります。
特にネット上には、他社の優れたセールスコピー、わかりやすい募集要項が溢れていますから、非常に参考になります。
といっても、文章やコピーをそのまま真似することではありません。それはただの盗作であり、著作権侵害です。

パクるのは、「なぜそういう内容を書いているのか」「なぜそういう表現なのか」「なぜこの要素が必要なのか」という、書き手の背景にある考え方です。

もちろん本人に聞くことはできませんから、正解はわかりません。
しかし、そうした発想の根源を行間から読み解くようにすれば、テーマが変わっても自在に文章の応用ができるようになります。

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/388461/2/

 

結果を出してる方から背景をパクります。