ネガティブなことを伝えるときのヒント

「プレゼンのスキルが君にはまだ足りない」

「アイディアを出すばかりでなく、実際に行動してほしい」
こうした少しシビアなことをあなたは普段どのくらい相手にストレートに伝えているでしょうか?

「ポジティブなことは気軽に伝えられるが、ネガティブなことは伝えにくい」
「どうしたら効果的にネガティブなことも伝えられるのか」
「そもそもネガティブなことを相手に伝える必要があるのか」

職場でのコミュニケーションについて、こうした課題をよく伺います。職場に限らず、コミュニケーション全般に関して、このような感想を持ってる方は多いかもしれません。

一方で、そうした抵抗を乗り越えて、積極的にフィードバックを行い、成果や成長を生み出している組織もあります。そのような職場では、ポジティブか、ネガティブかにあまりこだわらず、ポジティブなことも、ネガティブなことも同じようにニュートラルに効果的に伝えられています。
では、どうしたら、成長に向けてネガティブなことを伝えることができるのか、今回はこの点について検討してみましょう。

 

●ネガティブ・フィードバックとは
そもそも「ネガティブなことを伝える」とはどういうことでしょうか? ここで少し、身近な身体のメカニズムを例に考えてみましょう。
私たちの身体は、恒常性を保つために、望ましい状態からずれたときにフィードバックが働きます。たとえば暑い日に、体温が過度に上昇してくると、汗が出てその気化によって体温を下げます。このような働きは、基準からずれた方向から反対方向に制御するということから「ネガティブ・フィードバック(負帰還)」といわれます。上がり過ぎないように、下がり過ぎないように「安定」させるのが目的です。それに対して、その方向性に対してさらに加速させるような働きを「ポジティブ・フィードバック(正帰還)」といいます。

この基準で考えると、目標に対しての「ギャップ=ずれ」を指摘し、修正を目的にするのが「ネガティブ・フィードバック」、目的に対しての「一致」を指摘し、さらに促進、増長させるのが「ポジティブ・フィードバック」であるということができます。 


このように考えると、ネガティブ・フィードバックは危険や失敗の回避を助ける、とても重要な情報であることが理解できます。
同時に、ネガティブ・フィードバックとは、
・できていないこと
・足りないこと
・間違った方向にいっていること
に言及することになり、ここにネガティブなことを伝える、伝えられることに対する拒否感、抵抗感があるようです。

では、それを越えていくためには何が必要となるでしょうか。

 

●何に向けてフィードバックするか
フィードバックを活かしている組織の特徴は、「目標の共有」にあります。
あなたは、同僚や部下、または顧客にフィードバックするとき、相手の「目標」をどのくらい認識、意識しているでしょうか?
先ほどの身体の例からもわかる通り、ポジティブにしても、ネガティブにしても、フィードバックとは本来、目標に対して行われるものです。ですから、そもそも目標なしには、フィードバックはできないのです。
また、受け取る側からすれば、目標を共有し、その目標に対してのフィードバックであれば、前進に向けての貴重な情報として扱うことができます。フィードバックをしてくれる人は、自分の目標達成を支援しようとしてくれていることが伝わりますから、信頼関係の構築にもつながります。

一方、目標の確認や共有なしにいきなり「ここが足りない」、「ここができていない」と伝えることは、攻撃や否定として受け取られ、抵抗や萎縮、時には敵対関係を生み出してしまいます。ここにネガティブ・フィードバックに対する誤解と抵抗感があるのではないでしょうか。
最後にポイントをもう一つ。曖昧な目標や同意のない目標ではやはりフィードバックは受け取りにくいもの。目標設定は慎重に、明確に、そして納得感を持って行うことです。


目標を共有し、そこに向けて行う。そうすれば、ネガティブ・フィードバックもぐっと伝えやすく、また受け取りやすくなるのです。

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/420089/2/

 

信頼関係が大事ですね。