非現実的な目標ほど達成しやすい!(後編)

【後編】
「非現実的」であなたの力を引き出すような目標をどう創ればいいのか? 今回はそのポイントを解説します。

 

●目標があなたの力を引き出す

前編では、「非現実的な目標ほど達成しやすい」ことをお伝えしました。一見、常識に反するようなことですが、実は理にかなっているのです。その理由は2つでした。

1)大胆な目標は周りの力を引き出すから
2)大胆な目標は自分の力を引き出すから

2つの理由を並べると明確だと思いますが、目標はわれわれの力を引き出すことができるのです。目標が持つ、このパワーを利用しない手はありません。
自分の力を引き出すような大胆な目標を設定することで、さらなるパワーが開拓され、そこからもっと大胆な目標を設定することができます。それによって、さらに自分の力が引き出されるのです。
一方、自分の力を引き出さないようなそこそこの目標を設定したらどうでしょう? 自分のパワーは開拓されず、さらにそこそこの目標にとどまってしまい、自分の力は引き出されません。
前者のように好循環のサイクルを回すか? 後者のように悪循環のサイクルを回すか? ここに大きな人生の分かれ道があるのです。
あなたはどちらのサイクルを回したいでしょうか?
答えは明らかですね。
それでは、前編の最後に予告したとおり、従来の現実的な「SMART」(目標設定)ではなく、ワクワクと刺激的で、そしてハラハラ・ドキドキしてしまうほど挑戦的な目標を立てるための新たなコーアクティブ・コーチング(TM)流の「SMART」(目標設定)をご紹介しましょう!

 

●進捗を確認してくれる人がいますか?

とはいえ、「S」と「M」は従来の「SMART」どおりです。念のため書いておくと……
・S=Specific/具体的で明確であること
具体的で明確な目標であればあるほど、人はありありとビジョンを描くことができます。たとえば、「どこか知らない街に住みたい」という曖昧な目標ではなく、「シチリア島の海沿いの街に住みたい」というように具体的に表現します。

 

・M=Measurable/測定可能であること
達成期限などの数値目標を設けることで、目標が達成されたかどうかが初めてわかります。たとえば、「2008年1月までに3000万円でシチリア島の海沿いの街に家を買う」と目標を決める、具体的ですし、測定可能になります。
さて、次の「A」はコーチングっぽい要素と言えるでしょう。

 

・A=Accountable/確認可能であること
これは自分の進捗状況を確認してくれる存在がいることです。そういった存在がいるということは、目標を忘れないための大きな仕組みになります。たとえば、「シチリア島に家を買う」という目標を家族や友人に話して共有しておくことです。

 

●目標は価値観に沿っていますか?

R=Resonant/エネルギーが動いていること
ここでいう「エネルギーが動く」というのがピンとこない人もいると思うので、体験的に説明しましょう。
まず、目を閉じてみて下さい。そしてこれまでの人生を振り返って、人生最高の瞬間を思い出してください。とっても感動したり、うれしかったりした瞬間です。思い出したら、もっとも印象に残っているシーンを思い浮かべ、その体験の中にどっぷり浸かってみてください。
さて、どうでしょう? 何か身体が熱くなったり、楽になったり、軽くなったりしませんでしたか? このように自分の中で何かが動いたような状態を、「エネルギーが動く」といいます。

そして、コーアクティブ・コーチングでは、その「エネルギーが動く」奥にはその人の大切にしている価値観があると考えています。その価値観を尊重すればするほど、エネルギーが動いて、力が引き出されてくるのです。
つまり、目標はその人の価値観に沿っている必要があるのです。たとえ大胆な目標を立てたとしても、その人の価値観に触れていなければ、エネルギーは動かず、力は出てきません。目標に対して、自分のエネルギーが動くのか? 自分の価値観に沿っているのか?をチェックすることはとても大事なポイントです。

 

●目標はあなたの成長を促しますか?

最後に紹介するのが「T」です。これこそがまさに「非現実的」な目標にするサポートとなっています。
T=Thrilling/ハラハラ・ドキドキと興奮するようなものであること
単なる今の自分の延長にある目標ではいけません。この目標を達成するためには、否が応でも新しい能力・パワー・心を開いて、新たな自分に生まれ変わるんだと思えるものでなければなりません。
これまでの自分の枠を超えるような目標です。そして、単に無茶な目標でよければいいという訳ではなく、自らのビジョンにつながり、価値観に沿ったものであることが必要です。そうすれば、目標を設定することによって、とんでもない大きな力を注ぎだすことが可能になるのです。

さていかがでしょう? ぜひ、あなた自身の目標を、このコーアクティブ・コーチング流の「SMART」の基準で見直して見てください。そして、目標と自らが互いに力を引き出すような好循環のサイクルを回していきましょう。
目標を達成することは大事ですが、それが主ではありません。あくまでも主は人であり、その人が成長することです。

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/291720/2/

 

目標に押しつぶされるのではなく、目標をうまく使いこなして成長していきましょう!