部下との面談を充実させるコツ
面談の目的とは?
ある調査によれば、部下は次のような点で面談が役に立つと考えています。
普段言えないことを言ったり、確認できたりする
お互いの信頼関係が深まる
フィードバックを受けることで軌道修正ができる
問題を整理したり、優先順位を決めたりできる
話すことで自分の考えがまとまり、仕事に対する責任感が増す
話を聞いてもらうことで、共通の目標に向かいがんばろうという気持ちになる
目標を設定することでスキルを向上させることができる
部下はやる気を高めたり、隠れた才能を引き出たされたり、上司と信頼関係を構築する場としても面談に期待しているのです。
さて、リーダーであるあなたはどのような目的を持って面談に臨んでいますか? ぜひ一度上記の項目をいくつか意識して面談を行ってみて下さい。それだけでも自然と話す内容や質問の仕方が変わってくるはずです。
●面談のゴールを共有し、準備させる
面談の日時を知らされ、なんの準備もなく面談当日になり、上司主導で面談が進む。これでは部下は警戒し、また受け身になってしまいます。
たとえ毎期行われている面談であっても、
面談の目的はなにか
面談で何を決めたいのか
そのために何を話し合いたいのか
何を準備して欲しいのか
というように、目的を事前に伝えることで面談を始める前から部下の思考を刺激し、また部下の自律性を高めることができます。このとき、目標や必要事項を事前に各自で書き出すためのフォーマットを提供し、備えさせるのも効果的です。
●リクエストで刺激を与える
その際、基本的な目的に加え、
「特に今回はみんなからの業務改善の提案も聞かせてほしい」
「今期は全員で高いスキルアップを遂げたいので、各自のスキルアップ計画を聞かせてほしい」
「新しく編成されたチームなので、ぜひこれまでのキャリアや経験、強み、今後のキャリアプランについても聞かせてほしい」
など、その期ごとのテーマになることをリクエストすることで、普段は見られない部下の一面や能力を引き出したり、マンネリ化しがちな定期面談に変化を起こし、部下に刺激を与えることもできます。
●メンバーの面談のゴールを明確にする
人は1人ひとり状況も個性も違います。そこで、先に述べた面談の目的とは別に、部下1人ひとりについて面談で実現したいことを明らかにして、面談に臨みましょう。
たとえば、
・最近頭角を現しているAくんには、高いリクエストをしてさらに能力を発揮してもらおう
・チームリーダー候補のBさんには自分の目標だけでなく、チーム全体にも目を向けてもらい、チームリーダーとしてのスキルを上げてもらおう
・入社したばかりのCさんとは、信頼関係を築くきっかけづくりをしよう
・アイディアマンのD君からは会社やチームへの提案を引き出してそれを意欲につなげよう
という感じに、それぞれとの面談のゴールイメージを持つことで、面談での会話の焦点が定まります。
部下側でも「将来のキャリアについて相談したい」など、面談に向けて個別の目的を持っている可能性があります。面談のはじまりに部下からの要望も聞き、可能であれば扱うと面談の意義が高まります。面談で扱いきれない場合や面談の本来の目的とはずれる場合は、別途時間をとることを約束するようにし、未完了のまま面談を終えることだけは避けましょう。
●面談でのコミュニケーションをチェック!
次のリストは部下が話やすい効果的だと感じる面談での上司のコミュニケーションスタイルと、逆に話しにくい効果的でないと感じるコミュニケーションスタイルです。あなたはどちらの項目が多いでしょうか? チェックしてみてください。
■効果的な面談をつくり出す上司のコミュニケーションスタイル
□ 部下に何を期待しているか、部下の将来に対するヴィジョンが共有されている
□ 未来に向けて問いかけがある
□ 評価だけでなく、次の行動や成長のためのフォローがある
□ 上司の考えに誘導せず、部下の意見やアイディアも聞く
□ 部下からの提案やリクエストを聞いたり、疑問を解消する機会を提供している
□ 承認と課題をバランスよく扱う
■面談を台無しにする上司のコミュニケーションスタイル
□ 上司が一方的に評価していると感じさせる(部下が自己評価などを話す機会を一切与えない)
□ 目標が一方的に与えられる
□ 上司が一方的に話す
□ 結果のみを重視し、プロセスや成長については扱わない
□ 部下のできない点や能力の劣る点、失敗の原因にばかり焦点を当てる
□ 上司の成功体験や方法を押しつける
もっとも大切なのは、部下にも話す機会を与えることです。そうすることで納得性や自発性が増し、また新たな提案や現場の知られざる現状や問題、情報を引き出すこともできます。
●面談の質を左右する普段からの関わり
最後にもっとも重要なポイントを1つ。面談に向けどんなによく計画し準備し、面談中に部下の話に耳を傾けたとしても、普段全くコミュニケーションのない上司に部下がいきなり本音を話すとは考えにくいもの。
やはり普段からのコミュニケーションや、信頼関係と面談の質は比例します。ぜひ日頃から、次のポイントを意識して部下との関係づくりに取り組んで下さい。
・日頃から部下と話す時間を意識的に持つ(たとえ雑談でも!まずは質より量です)
・部下の目標や業務の進捗に注意を払い、必要に応じて相談にのったり、アドバイスする
・部下の変化や達成したことをタイミングよく承認する
・部下について知る(知ろうとすることは最大の承認です)
・自分についても部下に知らせる(よく知らない人に自分のことは話せません)
・部下の将来やヴィジョンについて話を聞く機会を意識的に設ける
https://allabout.co.jp/gm/gc/297567/4/
普段からの人間関係が大事ですね。