フランス人は結婚しない!? パリジェンヌの愛のカタチ

カップルの形態は、「結婚」、「パックス(pacte civil de solidarité 連帯市民協約)」、「同棲(union libre)」と3つ。
フランスには、結婚したくない、必要ないと思っている人たちがかなりいます。
なぜか? それは、結婚する時、そして離婚する時に大変な労力を使い、お金もかかるからです。日本では、パックスを事実婚と解釈している人たちがいるようですが、私は違うと感じています。むしろ、日本の結婚とフランスのパックスが近いのではないかと思います。

 

【結婚の流れ】
まず、両人の3種類の証明書を揃えて、区役所に行き、両者が結婚をする事を、区役所の掲示板に張り出されます。この公示に異議申し立てができ、重婚が防げるそうです。文句を言い出す人がいなければ、区役所での結婚式の予約をします。
財産がある人は、コントラドゥマリアージュと言って、結婚以前の財産は結婚しても私だけのもの。と公証人に書類にしてもらいます。結婚後も、個人の物を追加できるそうです。
パリ20区には、各区役所に、お役所とは思えない素敵な“結婚の間”があり、そこで、結婚式を行い、はじめて公に結婚したカップルとなります。

シンプルに新郎新婦と両人の保証人と区役所の担当者5人で行う人、両家の親族友人と大勢集まりウェディングドレスを着る人、民族衣装の人、普段着の人、さまざまです。この街には、人種によって異なる宗教があるので、区役所の式を終えてからキリスト教会、ユダヤ教会、イスラム寺院で今度は法的でなく、宗教上で結婚式をする人たちもいます。その後は、パーティー。日本のように、のし袋に現金を入れて持っていきません。プレゼントを持っていく人はいますが、ご招待です。

愛し合ったのにお別れの時がくると、これまた大変です。両者が、弁護士をつけて家庭裁判所に行きます。それも2度3度…。時間もお金もかかります。この頃、シンプルになりつつあるようですが、慰謝料のあり方も日本とかなり違います。

友人に子供のいないカップルがいましたが、ご主人が、他にアパートを借りて家を出て行ってしまいました。日本人妻は、しばらく別居と思い家に残っていましたが、彼は新しい彼女を見つけて子供ができ、離婚を要求してきたそうです。日本の考え方でしたら、もちろん奥さんは、慰謝料をもらえますね。しかし、この国では、両者の収入が同じくらいですと、慰謝料はもらえません。新しい女性を作ろうが、子供を外に作ろうが。こちらではほとんどが共稼ぎですが、夫の稼ぎが妻よりもかなり高く、別れることで妻の生活環境が著しく異なるようになる場合は、夫がお金を出さなくてはなりません。

 

【パックス】

こちらは、区役所でなく家庭裁判所に各人の書類を持って行き、判事さんの事務室で署名して完了。さよならする時は、辞めますと届けを出せば、バイバイ。

結婚していてもパックスしていても、国からの社会保証、税関係は同様です。
保証されていながら、契約書一枚。この手軽さが、パックスが増えている理由でしょう。パックスよりももっと自由な形は、同棲です。これこそが、フランスでは自由な事実婚でしょう。
近年、パックスを選択する人が増えています。合理的な人、とも言えるでしょう。結婚を選択する人は、伝統を重んじる人が多いです。キリスト教ユダヤ教、回教徒の人たちなど、確固たる宗教を持ち、その宗教に準じて生きている人が多いように思います。フランスの良いところだなぁと思えるのが、子供への補償です。両親がどんな関係でも、平等に保障があります。あの子は婚外子だと、差別されることも全くありません。学校のクラスの半分の生徒の親は、結婚していないそうです。

このような状態を支えているのは、女性だと思います。パリのほとんどの女性が、仕事を持っています。85パーセントと聞いています。残りの15パーセントは、現在失業していて就活中や入院中です。結婚したら仕事を辞める女性は、ほとんどいません。出産してもすぐに仕事に復帰します。経済的に自立し、精神的にも自立しているので、パートナーと対等な関係を保っています。

フランス人にとって一番大切な、‘愛’に純粋に打算なしに向き合っています。ですから“愛”がなくなれば素直にさようなら。

 

http://suhada.avene.co.jp/france/2911

 

私はシンプルで素敵だなと思います。日本の女性のみなさま、いかがでしたでしょうか? 一度、愛のカタチや一生をどのように生きるかについて、考えてみるのも面白いかもしれません。