ピンチにも強く!一人で潰れない「頼り上手」の考え方

●「一人で抱え込んで、結局ダウンしてしまう人」になる前に……

人が生きていく中では、一人では本当にどうにもならないほど負担の大きい時期があるものです。仕事や出産、育児もそうでしょうし、病気や身体機能の低下などで他人の手を借りなければならない瞬間も多くの人に訪れます。

さらには、震災や事故などの避けようのない事態も、いつどこで発生するか分かりません。
このような大変な時期は誰の人生にもあるものですが、他人に迷惑をかけることや、つらい顔や苦しい顔を見せることに抵抗が強い人は、一人で苦しみを抱えてしまいがちです。
しかし1人で頑張ってしまうと、周囲の人は抱えている苦しみになかなか気づけず、手を貸すことができないものです。結果的に、極限まで一人で頑張りすぎてしまい、心身の健康を崩してダウンしてしまう人が少なくありません。

 

●「迷惑をかける」と思う前に知っておくべき「ヘルパーセラピー原則」

一人で抱え込んで頑張ってしまう人は、周りに対して過剰に心配してしまう傾向があるようです。自分が窮状を訴えたときに助けてくれそうな相手に対し、「迷惑をかけてしまうかも?」「忙しい相手の時間を奪ってしまう」と思って、困っていると伝えるのを躊躇ってしまうことも少なくありません。
そんな人にはぜひ、人間には「困っている人を見たら手を貸してあげたい」「誰かのために、自分自身を役立てたい」という本質的な欲求があることを覚えておいていただきたいです。
医療や福祉の領域には、「ヘルパーセラピー原則」という言葉があるのをご存知でしょうか?

これは、リースマンが提唱した概念で、「援助をする人が最も多くの援助を受ける」ということを意味します。つまり、誰かを助けようとする人にとっては、困っている人の役に立つことが、とても大きな喜びや充足感につながる行為になるのです。

熊本地震東日本大震災では、たくさんの人がボランティアとして現地に向かいました。これも、ヘルパーセラピー原則に基づく心理だと考えられます。
では、「上手に他者に頼れる人」になるには、どのようなことを心がけるとよいのでしょう?


●まずは「情緒的サポート」だけで気持ちに寄り添ってもらう!

とはいえ、急に大きな頼み事をするのは気が引けるという人は多いでしょう。そんな人は、困ったときにはまず自分の「気持ち」に寄り添ってもらうだけのサポートを誰かに求めてみましょう。こうした援助を「情緒的サポート」と言います。
つらいとき、苦しいときに話を聞いてくれる人がいて、気持ちを受け止めてもらえれば、それだけで力が湧きだし、気持ちが前向きになれるものです。実際、誰かがそばにいてくれるだけで、不安な気持ちが落ち着いた経験を持つ人は多いと思います。
とはいえ、長時間、数多くの情緒的サポートを求めると、それはそれで相手の負担になってしまうかもしれません。「週に1回1時間程度、話を聞いてもらう」「週末に一緒にご飯を食べるお願いをする」など、お互いのちょうどいい時間や方法を決めておくと、負担なく気持ちのよいサポートを受けることができるでしょう。

 

●さらに求めるのは「情報的サポート」? 「道具的サポート」か?

情緒的サポート以外に必要なサポートは、それぞれの状況によって異なります。自分で動く余裕がある人は、「情報」さえ手にできれば、それを手掛かりに自分自身で行動することができます。その余裕がない人は、誰かの「手」を借りて足りないものを補ったり、必要なものを手に入れたりする必要があります。
このように、自分が求める「サポート」はどんなものなのか、まずは明確にしておきましょう。
前者のような「情報的サポート」が必要であれば、「○○について何か情報が分かったら知らせてほしい」などと周りに声をかけておくだけでもよいのです。情報を入手しやすい状態にすることで、ぐっと事態が改善することがあります。後者のような「道具的サポート」が必要であれば、何に困っていて、どんなサポートを求めているのか、サポートの頻度や回数の希望を伝え、明確に打ち合わせられるようにするといいでしょう。


●日本人にありがち? つい「すみません」を連呼する前に……

ところで、私たち日本人は、人に助けてもらうとつい「すみません」と言ってしまいうようです。しかし、助けを得ることは、謝罪するようなことでしょうか? 助けがほしいときには、「助けていただけますか?」と、自分の希望を伝える習慣。助けてもらえたときには「ありがとう」「助かりました」と気持ちよくお礼を言える習慣が必要なのではないかと思います。
つらい状況でも一人で頑張ろうとする精神は尊いものです。しかし、自分の力だけではどうにもならない瞬間は、人生の中で何度か訪れます。そうしたときに、ダウンしてしまう前に速やかに、上手に助けを求められる人になれるように、日頃から「助けを求める力」を高めておくことが大切です。

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/463676/2/


助けてもらった時はすみませんではなくありがとうと言うようにします。