「面」で考えてジレンマを歓迎しよう!

「どうしたら活発な会議ができるんだろう?」
大手製薬メーカーの営業マネジャー・児玉さんは、チームミーティングの後、会議室に一人残って考え込んでいます。

児玉さんのチームは昨年後半から営業成績が落ち始め、メンバーの元気もなくなりがち。これをなんとかしたいと、いろいろと手探りでチーム活性化に取り組んできました。
少し成果も出てきましたが、今の一番の悩みは毎月行っているチームミーティング。これまでは、マネジャーの児玉さんが一方的に話をしていましたが、「これではだめだ」と、メンバーができるだけ自主的に話すカタチに変えようとしました。
しかし、なかなかメンバーから発言は出てきません。たまりかねて、「○○くんはどう思う?」と指し始めましたが、今度は指さないと発言しなくなってきました。
「自主的に発言してもらいたいんだけど、それではなかなか出てこないし、こちらから指すと、自主的な発言を押さえる気がするし、どうしたらいいんだろう?」

 

●矛盾・ジレンマが溢れるビジネス現場

メンバーの自主的発言を尊重するか、それとも時間節約のためにどんどん指していく方がいいのか? 
児玉さんと同じようなジレンマに悩んでいる読者も多いでしょう。
「あちらを立てれば、こちらが立たず」。ビジネスの現場はこんな矛盾・ジレンマが溢れています。
例えば、「顧客満足」。顧客満足を追求しようとすれば、手間やコストがかかってしまい、結局は顧客満足が実現できない。個別に対応することは大事だけれども、行き過ぎると標準化できずにコストばかりかかってしまう、など。
顧客満足は大事だけれども、コスト削減も大事だし……」と、結局、何も決まらずに、中途半端な状態が続いてしまう。
仕事自体について、下記のように矛盾・ジレンマに悩む人も多いでしょう。
「好きな仕事」をやりたいけれども、それでは会社の期待と食い違う、お金が稼げない。とはいえ、「好きな仕事」でないと、楽しめないし、やる気もでない。
ビジネスの現場、さらには人生には矛盾やジレンマがつきものですが、「ああでもない・こうでもない」と悩んでいては、何も進みません。結局、あぶはち取らずになってしまいます。
しかし、実はこの矛盾・ジレンマには大きな飛躍のヒントがあるんです。悩むのではなく、これを歓迎し、生かすことができたらどうですか?

 

●「線」ではなく「面」で考えよう!
児玉さんは、まるで1本の線の上を行ったり来たりしている状態です。これは「自主的発言」か「強制的発言」かの両極の間で揺れている振り子のようなものです。
これでは、児玉さん自身がストレスにさらされますし、メンバーにしても振り回されることになります。
この「ああでもない・こうでもない」状態から抜け出すのは簡単です。もう1本、線を引けばいいのです。すると、矛盾・ジレンマを超越した状態が見えてきます。


右上が矛盾・ジレンマを超越した目指す状態です。児玉さんは右下、左下を行ったり来たりしていると言えるでしょう。この「面」がすぐに解決策を与えてくるわけではありません。しかし、「線」で考えていたときに比べ、見晴らしは格段に良くなってきます。
児玉さんは、「一度、左上の状態に思い切り振ってみるのもいいのかもしれないなあ。そこから、右上に行けるかも……」とつぶやきました。「ああでもない・こうでもない」状態から、一歩進むことができそうです。


●矛盾・ジレンマは創造・成長の源。大歓迎しよう!

さて、あなたが直面している矛盾やジレンマは何ですか?
これまでであれば、矛盾やジレンマは悪いこと、避けるべきことであったかもしれません。でも、「線」ではなく、「面」で考えることを学んだあなたにとって、矛盾やジレンマはもう怖い存在ではありません。むしろ、歓迎すべき存在です。
矛盾やジレンマは、あなたがもう一段上のレベルで考え、行動するように成長させてくれる大事な宝物です。そこから、これまでとは違う新しいものが創造されるのです。
さてあなたが避けている課題、悩んでいる問題を、まずは「線」で表してみましょう。そして、そこにもう1本の線を引いて「面」にしてみるのです。そこから、新しいアイデアの創造、そして、あなた自身の成長が始まります。

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/291785/2/

 

線」ではなく「面」で考えてみましょう!