会議で戦うのはもうやめよう!

「会議」というと、退屈な場、もしくは戦いの場だなんて思う人はいませんか? もし、会議を協力する場・創造する場に変えられたらどうでしょう? そうなるためのヒントをお伝えします。

 

●会議は論争の場ではありません

「会議=論争の場」と思ってはいませんか? 会議参加者の中には、会議を「論争の場」と勘違いしているのか、いかに相手を論理的に打ち負かせられるかに熱中する人がいます。
また、論理的に打ち負かすどころか、「会議=戦いの場」と思っているのか、あらゆる手段をとって相手を打ちのめそうとする参加者もいたりします。
例えば、相手の言葉尻をとらえて、本質とは関係ないちょっとした矛盾をテコに責めたてていったり、内容とは全く関係ない、ものの言い方をとらえて、「これまでの経緯を踏まえようとしない、そういう態度は失礼だ」と相手の印象を悪くしようとする人もいます。
こういう参加者がいると、論争や戦いのためにエネルギーが浪費されて、全体の目標を決めたり、何かを意思決定するといった会議本来の目的にエネルギーが向いていきません。

 

●味方同士でボールを奪い合っていませんか?

もちろん、会議の目的・目標のため、全体のために意見を戦わせることは必要です。しかし、それは他の参加者と戦うことではありません。
サッカーの試合中に、同じチームのメンバー同士で、どう攻めていくかという考えが対立してしまい、相手ゴールを目指すことを忘れてしまったらどうでしょうか? 
さらに、味方同士でボールを奪い合っているとしたら、どうでしょう? 滑稽以外の何物でもないですよね。
「味方同士でボールを奪い合ってどうするの?」
だれかが相手を打ち負かすことに熱中してしまっていたら、こんな問いかけをして目を覚ましてもらいましょう。参加者の意識が向かうべきは、常に会議の目的・目標です。
会議は「戦いの場」ではありません。そこには敵はいないのです。会議の目的・目標を常に思い出し、確認して、「協力する場」「創造する場」へと変えていきましょう。

 

●同じものを別の場所から見ていませんか?

戦わずに一緒に協力しようと思っても、それでも議論がかみ合わず、前に進めないこともあります。例えば、次のような議論になることはありませんか?

「それをやるためには、こんなアイデアもあるよ」
「もうちょっと冷静になって考えてみようよ」
「今はいろいろとアイデアを出してみるときだよ」
「お金とか、ほかのリスクのことも考えなきゃ」

どれも必要ですが、これでは「ああ言えば、こう言う」状態になって、なかなか話が前に進んでいきません。まるで、ある家を東西南北、そして上下の6つの方向から6人がそれぞれ家を見ていて、「これが本当の家の外観だ!」と主張しあっているのと同じことです。
参加者にはさまざまなタイプの人がいます。どんどんとアイデアを出すのを好む人。現実を常に考えている人。リスクを考え、問題点を指摘する人。同じものを見ていても、人によって見えるところが違い、かみ合っていかないこともあります。

 

●議論はやめて、「6つの帽子」をかぶってみよう

この綱引き状態の無駄をなくし、「一度にたった一つの事をする」ことを提唱しているのが、デ・ボーノ氏の「シックス・シンキング・ハット(6つの考える帽子)法」です。
これは6人が一緒に家の周囲を歩き回り、それぞれの側面を同時に見ている状態で話し合うことです。あるテーマについて「常に全員が同じ視点」から見る。これによって、無駄な議論・対立を無くすことができるのです。
その視点として用意されているのが以下の「6つの帽子」です。

白い帽子=客観的な事実と数値(データ)
赤い帽子=怒りや情熱などの感情
黒い帽子=警戒と注意、考え方の弱点
黄色い帽子=積極性、希望、肯定的な考え方
緑の帽子=創造性、新しい考え方の誕生
青い帽子=冷静さ、調整、考え方のプロセス、帽子の使い方の統制

(詳しくは『会議が変わる6つの帽子』(エドワード・デ・ボーノ著 川本英明訳 翔泳社)を参照ください。)

全員が一度に同じ帽子をかぶり、そして帽子を次々と変えることで、協力しつつ、しかも多様な視点から考えることが可能になるのです。

「味方同士でボールを奪い合ってどうするの?」
「ここはみんなで○○色の帽子をかぶってみよう!」

こんな問いかけ・呼びかけをしながら、会議を「論争の場」「戦いの場」から、「協力の場」「創造の場」へと変えていきましょう!

 

https://allabout.co.jp/gm/gc/291698/2/

 

実践して会議を価値あるものにしていきます。