返事はいいけど動かない!そんな部下を動かす方法

●行動しないのは本当に「やる気」の問題なのか

口ばかりで実際には行動しない
いつも納期に間に合わない返事はいいが行動が伴わない
いつまでも経っても行動を起こさない
そんな部下を見ていていらいらしたり、がっかりした経験はありませんか?
そんなときには思わず「やる気はあるのか!」と言いたくなるかもしれませんが、実はここに重要なヒントがあります。
ここで立場を変えて、自分自身についても考えてみましょう。私たちは日々さまざまな行動を求められています。

もちろん「やる気」も1つの要因ではありますが、実際に行動するかしないかを左右する理由は他にもあるのです。今回はそうした「理由」に迫ってみましょう。

●ヴィジュアライズさせる
最も大きな理由の1つは、ヴィジュアライズできているかどうかです。例えば、「何とか時間を捻出して英語を勉強しよう」と思い立ったとします。

このとき、
では実際にどんな時間帯にどこでするのか
一人でするのか、誰か仲間を作ってするのか
どんな教材やツールを使うのか
勉強が続いたら自分はどんな風に変化するのか
といったイメージが鮮やかに描かれていればいるほど行動は起こりやすくなります。

そこで、部下が何かをすると宣言したり、仕事を任せたとき、相手の「やります!」という言葉を聞いて安心するのではなく、もう少し会話を続けてみて下さい。
このとき注意することは、「チェックではない」ということです。
興味を持って、その人が実際に動いているイメージを共有する感覚で会話を進めてみてください。

 

●意味を付加する
例えば、会議の資料作成を部下に依頼するとします。「月曜のお昼までにこの会議の資料をまとめておいてほしい」これでは部下は「作業」として理解します。

もしここで
その会議が会社にとってどんなインパクトがあるのか
そこで使われる資料にどのようなことが期待されるのか
なぜそれをその人に依頼するのか
などを伝えれば、そこに「意味」や「意義」が加わります。

人は意味を求める存在です。ですから、行動の「意味」を付加したり、明らかにすることで行動が起こる可能性が高まります。

部下の業務について、
今行っている業務や役割がその人の将来やキャリアにどのように役に立てられるか
その目標を達成することで何を手にすることができるか
その業務が誰にどんなインパクトを与えることができるか
などを話し合う機会を作ることができれば、彼らにとっての「意味」を高めることができます。

こうした関わりは、特に、意に沿わない異動にあったり、なかなか希望の仕事につけない部下や、地道な業務より華々しいプロジェクトなどをしたいと思っている新人などを目の前の業務や行動に集中させたり、モチベートさせたいときにも有効です。

 

●俯瞰し、リスクマネジメントさせる
そのことに対してのイメージややる気、意味づけが十分でも、他の業務との兼ね合いからできないこともあります。

そのことが懸念される場合には、テーマとなっていることだけでなく、仕事全体のバランスや優先順位、おかれている状況などについても俯瞰し、そのなかで実現するにはどのような取り組みが必要かを考えさせる、または話し合うことが必要です。

また、やる気満々で「よーしやるぞ!」と取りかかったはいいがいざ始めてみると
関係者の協力が得られない
思いもよらなかった障害が出てくる
思いの外時間がかかる
思っていたようには進まない
もっと重要なこと、緊急なことが出てきて優先順位が下がる
などの問題が発生し、そのうちに億劫になりどんどんスピードも減速し、やがて行動停止…ということも起こりがちです。

そうした事態をなるべく回避するためにも、事前に考えられる障害やリスクを考え、備えさせる関わりも有効でしょう。

 

マイルストーンをつくる
ここまで紹介したような関わりは1回だけでは足りない場合もあります。
そのような場合は、
「途中でこのことについてもう一度話そう。1週間後に報告の場をつくるのはどうか」
「もし何か困ったことが出てきたらいつでも声をかけて。」(と言いつつ、実際には上司からの声がけも必要)
というようにマイルストーンとなる場や節目をつくりながら、刻々と変わる状況に対応し、行動を後押しし続ける根気も上司には求められます。

 

●言い訳からもヒントを拾え!
「すみません、他の仕事が忙しくて…」
「なかなか手がつけられなくて」
部下の言い訳は聞いていて気分のいいものではないかもしれません。しかし、この言い訳は行動を阻害する要因のヒントの宝庫です。

「言い訳はいい!」
「とにかく行動しろ!」
と思う(言う!)前に、少し部下の背景に興味を持って会話を続けてみて下さい。

「どうした? 何が問題(障害)だった?」
「どうすれば(何があれば)進められそう?」
「実行するために必要なサポートはある?」

このような会話を通して学習や成長を促す関わりをすることで、部下の行動パターンや仕事のくせを上司であるあなたも、そして本人も知ることができ、部下の「次の行動」を後押しすることができます。結果として部下の自走する能力を高めることもできるのです。


https://allabout.co.jp/gm/gc/401261/3/


ちゃんと話を聞くって大事ですね。